2019年9月から、新居浜市若宮地区で「ユビキノール(還元型コエンザイムQ10)」を使ったプロジェクトが始まります。
若宮地区を中心に新居浜市内に在住の参加希望者約100名を対象に、ユビキノールというサプリメントを使って認知機能などへの効果を半年間にわたって検証します。
この記事では、ユビキノールや「ワカワカ脳活!」の詳細についてご紹介します。
ユビキノール(還元型コエンザイムQ10)とは
ユビキノール(還元型コエンザイムQ10)とは、人間の細胞がエネルギーを作り出すのに欠かせない成分で、体の老化を防ぐ抗酸化作用も持っています。
年を重ねるとともに体内の量が減って行くことが知られており、この成分が減ってしまうと、様々な病気にかかりやすくなるといわれています。
認知機能への効果も期待されており、これまでの研究で、「血中ユビキノール濃度が高いと認知症になりにくい」、 「ユビキノールを摂取すると認知機能が改善される可能性がある」などの報告がされています。
ユビキノールの作用
ユビキノールには、主に2つの作用があります。
- エネルギー産生作用
人間の細胞がエネルギー(ATP)を作り出すのを助けます。
- 抗酸化作用
体の中の活性酵素を除去し、体の老化を防ぎます。
体内のユビキノールが減ってしまうと・・・
様々な病気との関係が示されています。
うっ血性心不全
小児筋繊維痛症
抑うつ症状
慢性疲労症候群
糖尿病
パーキンソン病
認知症
血中ユビキノール濃度が高い人は認知症になりにくい※1
ユビキノールを飲むことで認知症を予防できる可能性がある※2
※1Yamagishi K, Ikeda A, Moriyama Y, et al. Serum coenzyme Q10 and risk of disabling dementia: the Circulatory Risk in Communities Study (CIRCS). Atherosclerosis. 2014;237:400-403.
※2木下 徹、藤井 健志. ユビキノール(還元型CoQ10)の長期摂取による認知機能改善効果の評価. 日本農村医学会誌 2019; 68(1): 8-17.
「還元型」のコエンザイムQ10=ユビキノール
世に出ているコエンザイムQ10には、「還元型」と「酸化型」という2つのタイプがあります。
今回は、体の中でより効果的に働く「還元型」のコエンザイムQ10を使います。
「ワカワカ脳活!」について
- 認知機能が維持されるかどうか
- 唾液の分泌量や、口の中の細菌叢がどう変わるか
- 血液検査の結果がどう変わるか
「ワカワカ脳活!」に参加できる方
- 新居浜市内で行われる測定会に参加できる方
- 50歳以上の方
- 本研究の趣旨をよくご理解いただける方
ただし、「ユビキノールを飲んでアレルギーが出たことのある方」「妊娠中、授乳中の方」「過去3ヵ月間に別の臨床研究や治験に参加していた方」「ふだんからコエンザイムQ10を含むサプリメントや食品をとる習慣のある方」「認知症が疑われる方」「脳卒中など脳血管疾患の既往がある方」「試験責任者および試験協力者が不適格と判断した方」のいずれかに該当した方には参加をご遠慮頂いておりますので、予めご了承下さい。
参加費
- ユビキノールは無料で差し上げます。
- 検査にかかる費用も無償です。
- ご参加頂いた方には粗品を差し上げます。
※ただし、会場までお越し頂く交通費などはご自身でご負担下さい。
研究の方法
方法1 毎日カプセルを2粒飲む!
- 1日1回、2粒のカプセルを朝食後に飲んでください。
もしうっかり忘れた時は、昼食後か夕食後に飲んでください。
※「食後に」としているのは、食後の方が吸収が良いからです。
- 飲み忘れた日があったら、次の日に4粒(2日分)飲んでください。
※ただし、どんなに飲み忘れても、飲むのは1日に4粒までにしてください。
- 摂取期間は、24週間(約6ヵ月)です。
方法2 測定会に参加する!
- 初回、24週後の2回の測定会に参加してください。
- 測定会では採血を行います。朝ご飯を食べずに会場へお越しください。
糖分を含まない水やお茶は飲んでも大丈夫です。
- また、唾液検査を行います。朝起きてから、歯磨きをせずに、会場へお越しください。
- 途中、8週後と16週後にアンケートを行いますのでお集まりください。
皆さんのレクリエーションを兼ねて体力測定なども行う予定です。
方法3 「生活日誌」に記録する!
毎日のサプリメントの摂取や体調の変化など、日誌の記入例にならって専用日誌に記録して下さい。
- 毎日きちんと飲んだかどうか
- 体調が良くなったり悪くなったりしたことなど
※試験終了時に日誌は回収させて頂きます。
方法4 二重盲検試験
今回、参加される皆さんを
ユビキノール群と
プラセボ群の2つのグループに分けます。
※「プラセボ」とは見た目はユビキノールと全く同じで、ユビキノールを含んでいないソフトカプセルです。
- 皆さんがどちらの群になるかは、2つの群の年齢や性別のバランスが等しくなるよう、専用のコンピューターソフトによって自動的に決められます。(確率は2分の1です。)
- どちらの群になるのか、皆さんが選ぶ事はできません。
- また、皆さん自身がどちらのカプセルを飲んでいるのか、皆さんにも試験運営者にもわからないようになっています。
※このような試験を「無作為割付による比較対照試験」といいます。
このように2つのグループに分けて、皆さんも試験運営者も先入観のない状態で比較するのが、最も科学的に妥当性のある方法とされています。何卒ご理解下さい。
※なお、プラセボ群だった参加者へは、試験終了後に6か月分のユビキノールがプレゼントされます。