新居浜・西条お役立ち情報館
現役理学療法士によるリハビリテーションの考え方を取り入れた「自宅でできるちょっとした健康トレーニング」をご紹介。今回は「腰痛」の原因について解説します!
年齢に関係なく、肩こりとともに不快な症状として表れやすい『腰痛』。
在宅ワーク・リモートワークの増加とともに、若い人にも悩みを抱えている方が増えています。
腰痛と言っても、その原因は人それぞれで、身体の歪みにはタイプがあります。まずは、それを知った上で、ご自身に合ったリハビリを行っていきましょう。
今回は、腰痛の主な原因とそのタイプについて解説します。
腰痛とは、病気の名前ではなく、腰部の“痛み”や“はり”などの不快感がある症状の総称です。大まかに「特異的腰痛」と「非特異的腰痛」の2種類に分けることができます。
原因が特定できる腰痛のことです。
以下のような症状・状態などから引き起こされることがあります。
・腰椎圧迫骨折
・脊柱菅狭窄症
・腰椎椎間板ヘルニア
原因が特定できない腰痛のことです。
いわゆる、ぎっくり腰(急性腰痛)や慢性の腰痛はこちらに当たります。
腰痛の症状を感じている方は、まずは以下のチェック項目をご覧ください。
□ 安静にしていても痛む
□ お尻や脚まで痛みや痺れがある
□ 長く歩くと痛みや痺れがある
□ 転倒など外傷後の痛みで、日常生活に支障がある
これらに該当する場合は、特異的腰痛の可能性があります。
医療機関を受診してください。
□ 特定の姿勢で痛みがある
□ 動作時に腰だけ痛む
□ 楽な姿勢がある
これらに該当する場合は、今回と次回の記事でお伝えする「姿勢・動作の改善」や「運動療法」を行うことで、痛みの緩和が期待できます。
腰痛の原因の一つは“骨盤の歪み”です。
骨盤の歪みには、大きく3つのタイプがあります。以下の図をご覧ください。
骨盤前傾タイプ
骨盤が前に傾いている状態。
骨盤後傾タイプ
骨盤が後ろに傾いている状態。
左右の歪みタイプ
骨盤の高さに左右差がある状態。
◆骨盤前傾タイプ
腰と壁の隙間に「手が2枚分以上入る」場合は、骨盤がやや前に傾いています。
「反り腰」とも言います。
◆骨盤後傾タイプ
腰と壁の隙間に「手が入らない」場合は、骨盤がやや後ろに傾いています。
「猫背」の方に多いです。
◆理想的な状態
腰と壁の隙間に「手が1枚分程度入る」場合は、理想的な姿勢を保てています。
1.ASIS(※)に指を置く。
2.左右の指の高さを比べてみる。
※ASISとは、上前腸骨棘(Anterior Superior Iliac Spine)のことです。
おへその少し下から外側にある骨を伝っていくと、左右ともに出っ張ったところがあると思います。その部位をASISと言い、これを目印にして左右の歪みをチェックします。
◆左右の位置に差がある場合
骨盤の左右バランスが悪くなっています。
どちらが上で、どちらが下になっているかを覚えておいてください。
◆左右の位置が対称な場合
骨盤の左右バランスは理想的な状態です。
反り腰の方は、重心が前方にかかるため「前ももが緊張しやすい」状態にあり、以下のような特徴が出やすくなります。
・背中が反っている
・お腹が出ている
・おしりが出ている
・前ももが張っている
・前もも(腸腰筋、大腿直筋)
・背中(脊柱起立筋)
・もも裏(ハムストリングス)
・腹筋(腹直筋)
・お尻(大殿筋)
猫背の方は、重心が後方にかかるため「もも裏が緊張しやすい」状態にあり、以下のような特徴が出やすくなります。
・肩が内に入っている
・背中が丸まっている
・下腹が出ている
・おしりが下がっている
・もも裏(ハムストリングス)
・お尻(大殿筋)
・前もも(腸腰筋、大腿直筋)
・背中(脊柱起立筋)
左右の歪みは、図のようにASISの位置が左右でズレている状態です。左右のバランスを整えることが大切です。
・骨盤後傾を解消するトレーニングを行う
・おしりの筋肉をほぐし、前ももを鍛える
・骨盤前傾を解消するトレーニングを行う
・前ももの筋肉をほぐし、おしりを鍛える
次回は、タイプ別の「かんたんトレーニング法」をお伝えします!
リハビリテーションとは、『Re(再び)+habilis(適した)+ation(~にすること)』という意味で構成された単語で、直訳では「再び適した状態にすること」となり、『本来の状態に能力回復すること』を意味します。
このように言われると堅苦しく聞こえるかもしれませんが、難しく考えずにちょっと意識して一緒に体を動かしてみませんか?
『運動』は、『運が動く』と書きます。
普段の生活にちょっとした運動をプラスすることで運を動かして、心も体も元気に過ごしてもらえたらなと思います。
1994年生まれ、新居浜市出身。
川崎医療福祉大学リハビリテーション学科卒業後、大阪府の回復期リハビリテーション病院に4年半勤務し、現在は訪問リハビリに従事。その他、高齢者を対象にした美容サービスを提供するケアビューティストとしてフリーで活動中。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。