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九十九屋さんたの妖怪古今録

幻想の桜

真間山弘法寺の伏姫桜

春というと桜ですが、暖冬だったりしますと、花の開くのを見誤って、花をろくろく見ずに終わっていたというような残念な事になっているときもあります。

 愛される桜ですので、各地に名所があります。その一つが市川の真間山弘法寺です。
 弘法寺は、日本史の授業で最初に憶える僧と思われる行基上人、お寺関連の伝説では欠かせない弘法大師空海、日蓮聖人由来の仏像と、非常に歴史のロマンを感じるお寺です。また、境内には小林一茶などの碑があり、人々に愛されてきたと感じる寺でもあります。
 その境内に伏姫桜と呼ばれる桜があります。立派な枝垂れ桜で、一度見ると忘れられない風情のある大きな桜です。

 伏姫と聞いて、ピンとこない方はいらっしゃるかもしれませんが、八犬伝ではどうでしょうか。八犬伝は玉を持つ八人の犬士が、縦横無尽に活躍する伝奇ロマンです。その八犬士が誕生の因となるのが、伏姫なのです。伏姫の伏という字は、人偏と犬に分離することができますから、こうした辺りから作者の思惑を探りつつ読むのも楽しい小説です。
 伏姫桜が八犬伝と関係があるかというと、実のところわかりません。もちろん八犬伝は滝沢馬琴が江戸時代に書いた小説で、フィクションです。その登場人物が名を残しているのは、物語が現実を書き換えたようで、面白い事です。